「輔仁」の由来

Origin

「輔仁会」命名の由来
理事長 大浦純平

「輔仁」は、私の祖父である大浦貫道が初代理事長である母の大浦仁子へ、法人設立の際に、次の言葉を『論語』から採って贈ったという由来があります。

曾子曰そうしいわく、君子は文を以て友を会し、友を以てじんたすく ―

「曾子が言われた、君子は文事によって友達を集め、友達によって仁の成長を輔(助)ける。」

 自分ひとりで教養を身につけるよりも、異なった人間素養を身につけた友人を沢山持ち、切磋琢磨して、お互いの人格 向上のために、相互啓発に努めることは大いなる財産である。友人を持つこと、そして彼らから得る智慧は、一人で苦しん で得るよりも多くの方向性を生み出す。判断の誤りを少しで も少なくできるだけでなく、もっと広い見地から物事を判断する 材料を与えてもらえるものである。 ここで言う『仁』は、相手をゆるし信じあえる心を指しており、さらに、その心のふれあいを通して相互の進歩向上ができる 大いなる心をも意味する。

祖父は、母にこのような「輔仁」の真意を伝え、 さらに「仁子の事業意志を輔ける」 と掛けた上で、社会福祉事業の目的を達成するための重要な言葉として贈りました。
そして、この本来の意味に加え、次のように保育の世界に「輔仁」を投影したそうです。

子育ては一人でできるものではない。子どもを核として、子と親、親と親、子と子、子と保育者、保育者と保育者、そして、親と保育者という関係が成り立つ。お互いが切磋琢磨し、相互啓発することによりその関係性が深まる。子にとって、親にとって、保育者にとってそれは大いなる財産である。
育つ者、育てる者の三者の関係の中にいること、そして、相手から得る知恵は、子ども自身の成長と親と保育者の子育てに多くの方向性を生み出し、子育ての誤りを少しでも少なくできるだけでなく、もっと広い見地から物事を判断する材料を与えてもらえるものである。

保育園を経営する社会福祉法人にとって、「最も大切なものは『人』である、特に人と人の関係が良好に運び、お互いに啓発し合い向上してこそ素晴らしい子育てのお手伝いができるのだよ」と、祖父は伝えたかったのでしょう。
祖父から母へ、そして私へと伝えられた「輔仁会」という名を汚さぬよう、この精神を保育園運営の課題として全職員と共に、なおいっそう大切にしていきたいと心から思っています。