赤ちゃんから２歳まで

幼い子どもたちには、健康で情緒の安定した生活を保育園で過ごして欲しいと願っています。そのために、子どもの発達段階にそくした食事・睡眠・排泄習慣などを理解し、集団として扱うのではなく一人ひとりを大切にしてその子に合った関わりをします。担当保育士の愛情あふれる細やかで丁寧な一対一での関係を軸にして、どの保育士でも同じような手立てで関わっていくことを大切にしています。

周囲のおとなとの信頼関係によって自らの欲求を満たしてもらっていた乳児の頃が過ぎると、やがて、子どもたちには、あそびでも身の回りのことでも「自分でやりたい」という気持ちが育ってきます。私たち保育士がその気持ちをしっかりと受け止め、温かく見守っていると、子どもたちはたとえその時はできなくとも、やってみることを繰り返し、その子のペースでできるようになる経験を重ねていきます。その時の「やってみよう」とする前向きな気持ちや、「できた」という喜びの気持ちに共感することが大切だと考えています。

３歳から５歳まで

兄弟姉妹の数も少なくなった近年、異年齢児が関わり合いながら生活をすることが大切になってきました。当園では、３・４・５歳（帽子の色がそれぞれ赤・白・青）の異年齢児が同じクラスで生活する縦割り保育を行っています。

年下の子は遊びや生活の中で年上の子をモデルとし憧れ、模倣しながら成長していきます。また、年上の子は年下の子に譲ったり、教えたりする事に喜びを感じながら、いたわりや思いやりの気持ちが育ち、年上としての自覚や自信が芽生えてきます。
そして子どもたちは今まで自分が優しくしてもらったり、お世話をしてもらったりした事を年下の子に同じように返していくようになります。

一緒に生活する事で、お互いに影響し合い、兄弟姉妹関係のように自然に関わりをもてる、そんな保育を行っています。

丈夫な身体づくり

0歳児から5歳児まで、はいはい運動を基本とした運動あそびを行っています。
赤ちゃんが頭を持ち上げたり寝返りをしたりするところから始まり、つかまり立ちをして二本足での安定した歩きや走り、そしてダイナミックな動きを体得するまでを発達に応じてプログラムし、子どもたちが楽しみながら主体的に取り組めるように配慮、工夫をしています。

身体を動かすことが楽しいと思える人に育ってほしいと願いながら、鉄棒やボール、縄などを使った運動も取り入れ、バランスの良い健康な身体づくりをしています。

良質な玩具とあそびの環境

室内では、子どもたちが、自分がしたいあそびを選び、自由に玩具を取り出して、決まった場所（コーナー）で遊べるよう保育室をレイアウトしています。いつも同じ場所に同じ玩具が置いてあることで、継続してあそびに集中することができ、自分であそびに区切りをつけて片付けまで行うことができます。

丈夫でぬくもりを感じる木の玩具、指先の発達を促す手作り玩具、縦・横・高さの基尺や重みがきちんと考えられている積木、色彩・形・デザインに興味が持てるような玩具など、あそびの目的がはっきりとした質の良い玩具を選んでいます。それらを1年間の中で、季節に応じたものにしたり、子どもたちの興味や発達に合わせたりして入れ替えています。

また、玩具以外にも描いたり作ったりするコーナーや、ままごとやお店屋さんごっこなどのあそびができるコーナーを設けて、子どもたちが自由に遊べる環境作りをしています。

音楽活動について

「うたを聴く・歌う」「リトミック」「楽器を使ってあそぶ」などの音楽活動を年齢に応じて行っています。
子どもたちが、美しい音・メロディ・リズムや大人が歌う声などを聞いて「心地よい」と感じ、自らが歌うことや音を出すことを「楽しい」と思い、音楽のことを「好き」になってほしいと願っています。

０歳児の頃には、生活の中で、ゆったりと優しい声でわらべうたや童謡を歌ってあげます。
1～２歳児の頃は少しずつ保育士と一緒に歌い、３歳を過ぎ年長組になると毎日の保育の中で皆でうたを歌う場面があります。昔から歌われてきた童謡や、季節に合ったうたを歌います。
また、保育の中に取り入れているリトミックでは、ピアノのリズムに合わせて歩いたり、色々なあそびの中で音を感じて身体を動かすことで、楽しみながら自然に様々な力を身に付けていくことができます。

５歳児になると音楽祭で各園とも鍵盤ハーモニカによる合奏をします。4歳児の終わりごろから始まる鍵盤ハーモニカの取り組みは、最初はあそびの一環で、あくまで子どもたちが「楽しい」と思い「したい」と思ってできるようにと配慮し，子どもたちの小さな手に無理のない範囲でしています。

描いたり作ったり

子どもたちは自分の知っている事、経験した事、想像した事を絵に描いて表現します。絵を描きながら「これは〇〇よ」「〇〇した時の絵」...などお喋りをします。小さな手が作った作品は、どんなに形が歪んでいても、点や線だけのなぐり描きした物でも、その子にとってそれが思いを表出した物だとしたら、そのありのままの表現でよいのだと考えます。
絵を描く事は子どもにとって表現手段の一つであり、身近なあそびの一つでもあります。

いつでも絵が描ける紙とクレパスがある、空き箱やひもやペットボトルのような廃材がある、土と砂と水がある、そんな環境から自由な発想や創造が生まれてくるのです。そして何より表現したい思いを聞いてくれるおとながそばにいて、共感してくれる友だちがいることが重要です。こうして表現したい欲求が、あそびの中で満たされていくのだと考えて、子どもたちの絵画造形活動に取り組んでいます。

おはなしの世界を楽しむ

子どもたちは、絵本を読んでくれる人の声（ことば）を耳にしながら絵を見て想像を膨らませ、おはなしの世界に入っていきます。

そのおはなしの世界の中で、時には楽しく心地よく、時にはハラハラドキドキする体験をするのです。
そして現実の世界に戻ってきては、おはなしの世界を絵に描いたり、友だちと共有したおはなしの世界を積み木やブロックで立体的に作ったり、劇にして演じたりすることを楽しみます。
つまり絵本は、子どもたちに豊かな想像力と創造力を授ける、子どもの育ちには欠かせない大切なものなのです。

私たちは、子どもたちと一緒におなはしの世界を楽しみたいと思い、絵やことばに着目して絵本を選び、ことばのもつリズムや美しさ、楽しさ等が伝わるように気をつけて読んでいます。

行事について

端午の節句、七夕、お正月、節分、桃の節句などの日本で古くから伝えられてきた伝統行事を大切にしたいと思っています。
その季節には、日々の生活の中で行事にちなんだ制作をしたりうたを歌ったり、楽しいことを見たり聞いたりする会が開かれたりします。子どもたちに、楽しみながらその行事の意味を理解していって欲しいと思っています。給食やおやつには旬の食べ物や柏餅・桜餅など手作りの献立が並びます。

保護者の方に見ていただく行事として、運動会、発表会、音楽祭（5歳児）などがあります。日々の生活の中で楽しく遊びながら身につけてきたことや、少し頑張って取り組んだことで身体の使い方や心が成長したという姿を、披露する場にしたいと考えています。

他に、保護者の方と一緒に楽しむ行事として親子保育、バザー、親子遠足などがあります。
また、保護者の方に、ご都合の良い日を選んでもらい保育士として子どもたちと一緒に生活する体験をして頂く、一日保育士月間を設けています。

食べることは生きること

「食」は生命と健康の基本です。 乳児期から幼児期の間の子どもたちが、様々な「食」に関する体験をすることによって、生涯に渡って健やかな生活を送るための正しい食習慣を身に付けてほしいと思っています。
乳児期には一人ひとりに合わせて授乳し発達に合った離乳食をきめ細やかに準備します。幼児期には自分で食べようとする気持ちを大切にしながら、よく噛むことや食事のマナーも伝えていきます。食物アレルギーを持つ子どもに対しては医師や保護者の方からの情報をもとに可能な限りの対応をしていきます。

旬の食材をとりいれた献立に接することや、身近な野菜の栽培・収穫を経験することで食材に関心を持ち、毎日の給食がより美味しく楽しいものなるようにと思っています。また、発達に応じた食器や食具を使うよう配慮し、食器には手触りの良さや適度な重量感などから白磁の器を用意しています。

給食の職員も積極的に保育室に出向き、食事の様子を見たり、食材や献立について思いを伝えたりして子どもたちと関わっています。